IAMASオープンハウスレポ

そういえばバタバタしていて書いてなかった、IAMASオープンハウスレポ。大分前から興味があって楽しみにしてたのこともあり、8月5日12時の気温37度の猛暑の中、米原−大垣間の地獄の鈍行区間にも負けずに行ってきた。

ていうか大垣廃れてるー!駅前の再開発が頓挫してるのか、区画整理はされども、山裾が見えるくらいだたっ広い空き地が駅前から続いているのにはびっくりだ。タクシーの運ちゃんも景気悪いのか、真昼間の日陰も無い駅前ロータリーで、エンジン切って客待ちですよ。おいおい大丈夫か。暑いからタクシーわざわざ乗ったのに、車内で汗をかく破目になるとは。そればかりか、車中で他愛ない話を繰り返していたらなぜか中国人観光客と間違われ、かなりイライラ。大体1kmほどの距離なのに950円ってなんだよ、やってくれるぜ大垣国。そんなこんなで、軽いカルチャーギャップを受けながら到着。

受付を済ませて順路に従い見て回る。初っ端から、

 

こんなものに出くわしてしまえるものだから油断ならない。ギャラリーでは音に反応して点滅や発光色を変えるインテリアやら、蛇口の開き方で水の出る擬音が変わる(とても口で説明しにくいんだけど、わかってもらえるだろうか)映像システムだとか、風呂桶に張った水を振動させて反射光の干渉縞で楽しむアートだとかに感嘆させられる。

IAMASではスタジオ(=研究室)単位で専攻が違い、自分の研究以外にプロジェクトという単位の活動を行うのが基本らしい。ゼミの受講の仕方は比較的自由で(基本的に何でも受講できるけど、2年間に研究成果を出さねばならないので研究にあまり関係ないことや多分野に亘って手を出すことは推奨されないということ)、工学系出身者と美術系出身者が入り混じって進められるプロジェクトが多いとか。今回のオープンハウスでは、そのうちGANGUプロジェクトとAMSプロジェクトが見て回れた(他にもあったのだろうけど、時間の関係上他を把握する余裕がなかった)。GANGUはその名前の通り、新しいテクノロジーを生かす、あるいは開発して玩具を創ろうというコンセプトのプロジェクトらしい。AMSは、簡単に言えば研究者のデスク周りをテクノロジーと遊び心でデザインしてしまおうというプロジェクトだとかで、いくつかその成果物を見せてもらった。実用性より遊び心、成果よりは過程で発生する技術を次のプロジェクトに継承していくことが目的らしく、それそのものを生み出してどうこうとまではあまり無いらしい。確かに、予定していた時間がきたらLED入りの玉が壁から落ちてきて、ぴかぴか光って時間を知らせるシステムなんて、いや、お洒落だけど。

そういうアート色の強いものもあるかと思えば、コテコテの技術系の催しもあり。アイガモロボットは残念ながら直接見れなかったが、芸術情報のアーカイブ化についての説明を…って、やっぱり成果物として見れるわけではないのね、残念。あー、スタジオEで動画配信とロイヤリティが云々だとか、効率良いP2Pがどうたらとか、挙句お茶まで頂いて延々と居座っていたのが俺ですすいません、でもそういう話ができるのが楽しかったですよ。クリエイティブコモンズだとか、ICCといった単語が飛び交う工学系研究室って素敵。

実験的なものでは、ランダムに出力される高周波と、これまたランダムに出力される映像とを掛け合わせる(の解釈で間違ってないと良いが)アートだとか、目が開いているときは波間の映像が、目を閉じたら波の音が流れるシステムだとか、ブレッドボードサウンドとか(これも実演があったらしいのだが見逃す)あったりと、面白そうな催しが色々…あったそうなんだけど時間が足りなすぎたよ!遅い時間に行ったわけではないし、校舎が広かったわけではないけれど、見て回る先々で色々尋ねまわって突っ込んだりとかしてたから、あっという間に時間が過ぎてしまった。2日かけて見るべきなのかもしれないけど、都合上5日18時で帰途に着かねばならないのが残念だった。

帰りは帰りで、バスもないもんだから結局歩いて駅まで帰る。距離的には大した事ないんだけど、半日歩き回った疲労と靴ズレで散々な目に。しかし面白いものを見れたよ。ああいうものが研究できるのは楽しそうね。